Sanpouji Storyteller

交錯する都会の中で織りなす5人の男女の物語

眼鏡とベストとギンガムチェック(25)-水の章<エピローグ> 

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エピローグ

 

海の上に浮かんだコテージのデッキに座り静かな水面を見ていた。
時折小さく波が立ち、月明かりでキラキラと光る。じっと見つめていると吸い込まれそうな錯覚に陥り少し怖くなる。

夜空を見上げると満天の星空が果てしなく広がっている。
こんなにも違う世界がこの地球上にあるのが不思議に思える。


ボルネオの自然を満喫した後、二人はバリ島へと向かった。
コタキナバルからシルクエアでシンガポールチャンギ空港へ。
そこからトランジットでバリへ入る。
昼に出ても到着は19時を回る。

少し疲れたな、と思いながらも嬉しさは隠せなかった。大学の卒業旅行以来のバリ。
懐かしさと新鮮な気持ちの両方で饒舌になった美波を優しい目で見る凌。
空港は見違える程大きく綺麗になっていた。

にぎわう夜の町を抜けホテルへ着くと、奏太とケリーが出迎えてくれた。

「ようこそバリへ!さ、早く支度してディナーへ行こう。夕方、散歩がてら近くを歩いてさ、いいレストラン見つけたんだ」

奏太はそう言うとポーターと一緒に荷物を持ち部屋までやって来た。

「そんなに急かさないでよ、ずっと飛行機で疲れちゃったし少しゆっくりしたいよ」

「ダメダメ、俺達は時間が限られてるんだから!それにゆっくりしちゃったら眠くなるよ?」

「わかってるってば!とりあえず着替えたらすぐ行くから部屋で待ってて」

「了解!なるべく早くね!」

奏太とケリーは初めての渡バリで浮き足立っている。何をするにも楽しくて仕方がないらしい。

4人でここにいるなんて、数ヶ月前は想像も出来なかった-----------。

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この先は機会があれば書きたいなと思っています。
小説の様な物語を書くことになって、何の構想もなく書き初めましたが、思った以上に筆が進みました。

ストーリーの元になったのはある曲。
初めて聞いた時にメロディも歌詞も凄く気になってリピートしました。
そんな時にこのお話が上がり、曲と歌詞のイメージでストーリーと美波が生まれました。
音楽って凄いですね。

処女作の主人公が美波で良かったと今は思っています。
もう少し美波を育てたいなと思いつつ。

またどこかで美波と会えます様に。